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第1回台湾学校給食コンテストに全国学校給食甲子園が招待を受けました

2018年10月20日、21日に台湾の台北市で第1回台湾学校給食コンテスト(主催・大亨食育協会、富邦文教基金会)が開催されました。全国学校給食甲子園を見学した台湾の関係者が食育振興のために開催を行ったのもので、全国学校給食甲子園にも国際審査委員として招待状が来ました。全国学校給食甲子園の主催者を代表して特定非営利活動法人21世紀構想研究会の馬場錬成理事長と事務局の福澤史可スタッフが参加しました。

大会前日には、馬場理事長が「日本の学校給食と食育」のタイトルで2005年の食育基本法制定、栄養教諭制度発足時からの日本の学校給食の歴史と意義についてパワーポイントを使用して記念講演をしました。

「日本の学校給食と食育」のテーマで講演する馬場理事長

 

また第12回全国学校給食甲子園で準優勝に輝いた奈良県宇陀市学校給食センターの学校栄養職員・辰己明子先生、調理員の宇良章子さんが招待されました。まず前日に「日本の学校給食の経験発表」として、奈良県の地場産物を活用した学校給食の献立と調理に取り組む活動を発表して会場を魅了しました。翌日には模範調理として地場産物を使った美味しい給食献立を実際に調理してふるまい、コンテストに出場した台湾の先生たちに感動を与えました。

学校給食の活動を発表する辰己先生(右)と宇良さん

 

2人は模範調理で手際よく学校給食を作り上げて見学者を驚かせました。右が辰己先生

 

 

模範調理は、柿の葉寿司、揚げなすと南瓜のそぼろあんかけ、秋のかみかみ酢の物、
大和のにゅうめん、黒豆あんわらび餅という献立でした。

 

子ども記者からインタビュー取材を受ける辰己先生と宇良さん

 

食育熱心な大規模校が優勝

献立募集には全台湾から応募があり、書類審査を経て決勝戦出場に10代表を絞り込みました。会場は台北市の高級家事職業学校の調理場で、1時間半で6食を作るというコンテストです。

また、調理コンテストの前日には、食育授業コンテストもありました。これも応募した献立をもとにした食育授業であり、栄養士の先生が様々な資料を用意して5分間で授業をするものです。楽しいパフォーマンスを取り入れた大変、興味をひくものばかりであり、第12回全国学校給食甲子園で行われた食育授業コンテストの内容を上回るような雰囲気でした。

調理コンテストでは、大勢の応援者が窓越しに外から支援するのは全国学校給食甲子園と同じです。メディア取材は調理場に入れましたが、何のトラブルもなく1時間半後に全ペアが学校給食を仕上げました。審査の対象は、衛生管理、調理技術、ペアのチームワーク、食材活用などです。出来上がった学校給食を味見して採点する手順は全国学校給食甲子園と同じでした。

また生もの、野菜類の洗い物、調理別にエプロンを取り換える方法も、日本のやり方と同じでしたが、専門家によると衛生管理はまだ十分とは言えないという感想でした。

審査した馬場理事長によると「どの献立も非常に多彩な食材を活用しており、採点するのに苦労した」と語っており、激戦だったとのことです。調味料は事前に計量して準備するのではなく、目分量と手加減で調理している点は日本と違っていましたが、馬場理事長によると「味付けは全体に薄味でした」と語っていました。

激戦を制したのは食育とりくみに熱心な新北市秀峰國小学校の栄養士・楊蕊萍(Yang JuiPing)先生と調理員の朱鳳妹さんのペアでした。74クラス、2027人の児童が在籍する大規模学校です。日ごろから食育に熱心に取り組んでおりこれまでもたびたび食育活動で表彰を受けています。優勝した献立は五目ご飯、タケノコの和え物、サツマイモの葉を茹でてオイスターソースで和えたもの、長いもスープ、デザートはユズでした。サツマイモの葉をおしたし風に料理していることにびっくりしました。

 

↑ コンテストで調理する選手たち ↓

 

多額の賞金が授与されるのが台湾スタイルです

表彰式ではテレビなどで人気のプロの司会者が進行し、審査委員にも超有名なキャスターの張小燕さんが出席するなどなかなか華やかです。さらに華を添えたのは、大きな賞金授与でした。

優勝は10万台湾ドル(約36万円)、準優勝は6万台湾ドル(約22万円)、3位は3万台湾ドル(約11万円)です。

賞状とともに写真で見るように大きな小切手ボードを授与されて会場は一気に盛り上がりました。

 

優勝は10万台湾ドルの賞金が出ました。中央が楊先生、右端は朱調理員。
左端は審査委員になった台湾の超有名人の張小燕さん。

 

応援に来た栄養士仲間も優勝に大喜びでした。

 

 

 

台湾の学校給食事情

台湾の学校給食は、日本の学校給食と比べると一人当たりの量が多く、栄養摂取量も基準が決められていないということでした。これは主として保護者が量を多くしないと子どもたちがかわいそうだという考えるため、どうしても余っても仕方ないほどの量を出すようです。これは中国民族の文化からくるものでもあり、栄養管理が難しい事情になっているようでした。また、主食にパンを出すのは台湾ではやらないということでした。パンは朝食の定番かおやつに食べるという位置づけで、ランチに出すと保護者が文句を言うと聞きました。

コンテストの責任者である黄嘉琳さん、陳儒瑋さんらは、栄養学と食育に取り組んでいる方で、台湾の子どもの健康と適正な栄養摂取を実現するためにも学校給食コンテストを通じて啓発していきたいと決意を語ってくれました。これからも日台の学校給食交流を通じて、子どもの健康と成長を磨いていきたいと思います。

(全国学校給食甲子園事務局 福沢史可)