2016年 第11回大会

12チームが地元の期待を担って決意表明

北海道 足寄町学校給食センター

栄養教諭 吉田 美優さん、
調理員 廣田 裕美さん

「足寄町が誇る、赤い宝石『スイーティーアマン』についてお話します。
『スイーティーアマン』は糖度が13度の、わが町自慢のいちごです。
寒い時期でもいちごが栽培できるのは、温泉を使ってハウスの中を暖めたりしているからです。
明日は、お団子にします。

明日の主食に使用します『螺湾(らわん)ぶき』とはなんでしょうか。
螺湾川に沿って自生する2メートルから3メートルの高さのふきのことです。
ではなぜそこまで大きくなるのでしょうか。
理由は…いまだに解明されておりません。
『螺湾ぶき』を栽培している生産者さんにお話をお伺いしてきました。
実はふきが大きくなるのには時間がかかり、苗を植えてから収穫できるのは、3年後です。
また栽培当初は虫食いのために10本中8本を処分するなど苦労がありました。
現在は囲いをするなど対策をとり、安定した生産ができるようになりました。
最近ではデパートでも生ふきの販売をしております。
このふきを使用した化粧水なども販売しております。
ロンドンでも販売されています。
ふきの旬は6月から7月の間のたった3週間です。
足寄町のふき農家さんの努力により、北海道遺産を守られてきました。

足寄町学校給食センターは、これからも子どもたちに味を伝える食の伝道師としてお手伝いをしたいと思っております」

青森県 田子町立学校給食センター

栄養教諭 小川 祐佳さん、
調理員 田中 映理子さん

「青森県田子町のPRをする前に、皆さんにご紹介したい子がいます。この子です。
この子の名前は『あぷにん』といいます。
とってもおしゃれな女の子です。
この子が着ているのは、りんごの帽子に、にんにくのワンピース、ほたてのポシェット、菊の花飾りのついた靴、いかの指示棒です。
これはすべて青森県の特産品です。

青森県は三方を海に囲まれており、白神山地も広がり、海の幸も山の幸もとても豊富なところです。
その中でも田子町は、にんにくの特産地です。
田子にんにくは、大きく、色は白く、甘みが強いことが特徴です。
隠し味として使用することも多いですが、地元の特産品をもっと知ってほしいという思いもあり、にんにくを見える化する工夫をしております。

残念ながら青森県は、日本一寿命が短い、短命県です。
そのため出汁を活用した給食や、減塩活動に取り組んでいます。
明日調理するサラダはにんにくを使い、ドレッシングを控えめにしても美味しく食べられるように工夫をしています。

心がワクワクるような給食作りを心がけ、健康的な食事に興味を示す子どもを増やし、短命県を返上できるように、努力しています。
明日もこの会場の皆さまがワクワクするような給食を作って、青森県田子町に興味を持っていただけるよう、地元でセンターを守ってくれている調理員さんを含めて全員で一丸となってがんばりたいと思います」

東京都 八丈町給食センター

学校栄養職員 鈴木 瑞代さん、
調理員 大澤 元気さん

「八丈島は東京から約300キロ南にある、伊豆諸島に所属するひょうたん型の島です。
海ではむろあじ、きんめだい、とびうお、かんぱちなど、たくさんの魚が捕れます。

また、黒潮の影響を受け気温が高く亜熱帯気候です。
温暖な気候で、野菜の栽培も盛んです。
伊豆諸島の食材であるあしたばは、いつでも美味しく食べられます。

当センターは、島のすべての小中学校に給食を提供しています。
食育は各学校で活発に行われています。
過去には、食育推進事業として農家産を行使にお招きして、あしたばについて学習する『あしたば教室』が行われました。
今年度は2月に『八丈フルーツレモン教室』を行う予定です。
『むろぶし教室』では、むろぶしを作る授業や、島寿司と言う郷土料理作りなどを、講師を招いて行っています。
『お魚教室』では、むろあじを1人1匹さばく授業も行われており、これは都内の学校での出張授業としても行われています。
学校で野菜の栽培を行うところも多く、育てた野菜や『かんも』は子どもたちが収穫して、お弁当作り行うところもあります。

『かんも』とは八丈方言でサツマイモのことです。
八丈方言はユネスコが認定した世界消滅危機言語の1つであり、保存に努めています。
学校では『方言給食』として、方言を話すことができる方を招き、子どもたちと方言を話しながら給食を食べる機会もあります。

明日作る献立を給食で出したときはとても残食が少なく、郷土愛を育む献立となりました。
一品一品すべてに島の食材を使い、子どもたちはそれについて授業で学んでいます。
子どもたちと生産者さんの思いをつないでいるのが八丈町給食センターです」

埼玉県 毛呂山町学校給食センター

栄養教諭 石井 知子さん、
調理員 大谷木 敏博さん

「毛呂山町は埼玉県の南西部に位置し、産地と平野を有する地形で、週末には多くのハイカーが訪れる自然豊かな町です。

毛呂山町の3つの自慢をご紹介します。
1つ目は、桂木ゆずです。
当町のゆずは日本最古のゆずといわれ、桂木ゆずとして広く知れ渡っています。
皮が厚く、香りが強いのが特徴です。
給食でも様々な形で使っています。

2つ目は、瀬戸大也選手です。
瀬戸選手は、毛呂山町出身の競泳選手で、今年の夏リオオリンピックで活躍しました。
子どもたちにとって、誇りであり目標となる特別な存在です。

そして3つ目は、私の隣にいる大谷木調理員です。
調理員さんのまたの名をカレー番長といいます。
約2,700人分のカレールーをおいしく仕上げることができる、ただ1人の調理員さんです。
当町のカレーは長年の研究を重ね、様々な香辛料や調味料の配合で変化を加えてきました。
明日はこのカレーを中心とした献立で勝負します。
桂木ゆずをジャムにして加え、全て毛呂山町の産物で作った『もろ丸カレー』です。
主菜のチキンソテーにも桂木ゆずを使用し、ゆずの香りを全面的に出します。
『入間の大地の福神漬』で用いる食材は、入間地域で採れる産物を使用し、周辺地域への理解が深まるようにしました。
子どもたちが『おいしい』『大好き』と必ず答えるメニューであるカレーに、地域の食材を取り入れることで、生産者さんをより身近に感じてもらえるようと考えました。

明日作る給食は、ある日の普通の献立です。
地場産物がスペシャルなものではなく、子どもたちにとって当たり前の自然なものであってほしいという願いを込めて作りたいと思います。
明日は2人で力を尽くしてがんばります」