2016年 第11回大会

東日本の決勝進出6校・施設を発表

東日本地区の第1次、2次、3次、4次審査を行い
ブロック代表校・施設、決勝大会出場校・施設を決定しました。
10月15日に埼玉県さいたま市で行われた東日本ブロックの地区代表表彰式で発表されました。

10月15日  北海道・東北 / 関東 / 甲信越・北陸ブロック地区代表表彰式

〜北海道・東北、関東、甲信越・北陸の3ブロック6校・施設を決定〜

11回目を迎えた今年は、2,004校・施設の応募がありました。
第1次から4次までの審査をした結果、東日本の北海道・東北、関東、甲信越・北陸の
3ブロックの都道府県代表校・施設、ブロック代表校・施設、さらに決勝進出校・施設を決定しました。

決勝大会に進む12校・施設は、審査委員が第1次、第2次、第3次、第4次の書類選考を行い、
10月8日、中部・近畿、中国・四国、九州・沖縄3ブロックの6校・施設が発表されました。
10月15日には北海道・東北、関東、甲信越・北陸3ブロックの6代表が発表され、
今年の決勝大会に出場する12校・施設が出揃います。
決勝大会は12月3日、4日の両日、東京都豊島区の女子栄養大学駒込キャンパスで開催されます。

決勝進出校・施設

北海道・東北

北海道 足寄町学校給食センター
(栄養教諭 吉田美優さん)
青森県 田子町立学校給食センター
(栄養教諭 小川祐佳さん)

関東

東京都 八丈町給食センター
(学校栄養職員 鈴木瑞代さん)
埼玉県 毛呂山町学校給食センター
(栄養教諭 石井知子さん)

甲信越・北陸

新潟県 下田学校給食共同調理場
(栄養教諭 関谷裕紀子さん)
富山県 魚津市学校給食センター
(栄養教諭 関口暁子さん)

決勝大会進出を決めた代表5人が
ゼッケンを着用して決意を表明

写真右から
吉田美優(よしだ・みゆう)さん
小川祐佳(おがわ・ゆか)さん
鈴木瑞代(すずき・たまよ)さん
石井知子(いしい・ともこ)さん
関谷裕紀子(せきや・ゆきこ)さん
関口暁子(せきぐち・あきこ)さん

実行委員挨拶 全国学校給食甲子園®実行副委員長
 馬場 錬成

「全国学校給食甲子園は今年で第11回を迎え、主催者である私どもには大変感慨深いものがあります。
この大会は、栄養教諭制度と、食育基本法が施行されるという時期を捉えて始まりました。
学校給食の現場で、日夜努力されている栄養教諭・学校栄養職員、調理員の方々の活動ぶりを、世の中に広めることができないかという発想から生まれました。

11回目の応募総数は2,004校・施設となりました。
10回までに累計2万件を越えております。
本日お集まりの先生方の中には、複数回応募された方、そして決勝大会まで進まれた方もいらっしゃると思います。
また、10周年を記念しまして、今年はシンポジウムを開催いたしました。

給食に対して、非常に高い関心を持つ国の1つは中国です。
文部科学省の外郭団体である国立研究開発法人・科学技術振興機構が、中国語で日本の学校給食を紹介するWEBサイト「客観日本」を開設しています。そこで日本の学校給食が連載で紹介されています。

開会挨拶

開会挨拶
全国学校給食甲子園®実行副委員長
馬場 錬成

人口1億人規模の国で、全国的に均一に学校給食が導入されているのは、日本だけです。
これには、国外から非常に驚きを持たれています。
世界に冠たる日本の学校給食の実施にご尽力されている先生方、調理員の皆さま、ぜひ誇りを持って学校給食を発展させてほしいと願っております。」

第1次審査結果 全応募校・施設から約200校・施設を選出

第2次審査結果 都道府県代表 59校・施設を選出

都道府県代表は各1校・施設であるが、応募数が多く、また献立のレベルも高かった県は、2〜3校・施設が選出された。(秋田、茨城、長野、新潟、福井、広島、香川、佐賀、長崎、宮崎、鹿児島の各県)

第3次審査結果 24校・施設を選出

東日本3ブロック各4校・施設、計12校・施設が発表され、表彰状が授与された。

表彰状を受け取る
船橋市立高根台第二小学校
後藤 里香さん

第4次審査結果 決勝進出 12校・施設を選出

いよいよ、決勝進出校・施設の発表となった。各ブロック2校・施設、計6校・施設が決定した。

北海道・東北

北海道 足寄町学校給食センター
(栄養教諭 吉田美優さん)
青森県 田子町立学校給食センター
(栄養教諭 小川祐佳さん)

関東

東京都 八丈町給食センター
(学校栄養職員 鈴木瑞代さん)
埼玉県 毛呂山町学校給食センター
(栄養教諭 石井知子さん)

甲信越・北陸

新潟県 下田学校給食共同調理場
(栄養教諭 関谷裕紀子さん)
富山県 魚津市学校給食センター
(栄養教諭 関口暁子さん)
北海道 足寄町学校給食センター
(栄養教諭 吉田美優さん)

「初めてこの大会に応募して、ゼッケンがもらえると思っていなかったので驚いております。
栄養教諭になって一年半で、自分自身、まだまだのところがあると思っています。
この大会を通して成長したいと願っています。
これから決勝大会に向けて努力していきます。」
北海道からは9年ぶりの決勝大会出場となった。

吉田美優さん
(よしだ・みゆう)

小川祐佳さん
(おがわ・ゆか)

青森県 田子町立学校給食センター
(栄養教諭 小川祐佳さん)

「田子町は町の80%が農地という、農業も畜産も盛んな町です。
特に有名なのはにんにくです。
私は、この町の出身ではないので、今回この大会に応募するにあたって、地元の多くの方にご協力いただきました。
決勝大会でも一生懸命がんばりたいと思います」
青森県からは4回目の決勝大会出場となる。

東京都 八丈町給食センター
(学校栄養職員 鈴木瑞代さん)

「八丈町は東京都の伊豆諸島の離島なので、島ならではの献立を作成しました。
東京都には受賞経験のある先生方がたくさんいらっしゃるのでプレッシャーを感じています。
この大会を機に、八丈島の良いところをたくさん知ってもらえればと思います。」
東京都からは4大会連続の決勝大会出場。通算では7回目であるが、離島からは初めての出場となる。

鈴木瑞代さん
(すずき・たまよ)

石井知子さん
(いしい・ともこ)

埼玉県 毛呂山町学校給食センター
(栄養教諭 石井知子さん)

「去年に引き続き、2回目の応募になります。
今年は、毛呂山町給食センターで以前から大切に作られてきたカレーと、地元産のゆずを使って、町をアピールできる献立にしました。
この大会を機に、埼玉県と毛呂山町の良さをお伝えできればと思います。」
埼玉県からは2回の決勝大会出場を果たし、今回で3回目となった。

新潟県 下田学校給食共同調理場
(栄養教諭 関谷裕紀子さん)

「三条市は地場産物が豊富にあります。
また、地場産物を給食に取り入れるのに力を入れています。
この献立を通して、三条市の良さを伝えられればと思います。」
新潟県は4回目の決勝大会出場。応募数が全国で最も多い県である。

関谷裕紀子さん
(せきや・ゆきこ)

関口暁子さん
(せきぐち・あきこ)

富山県 魚津市学校給食センター
(栄養教諭 関口暁子さん)

「魚津市は、海の幸がたくさん捕れます。
また、農作物も豊富です。
農家の方が給食にとても協力的で、たくさんの野菜を献立に取り入れることができます。
この献立を通して、魚津市の自然の恵みをご紹介できたらと思います。」
富山県は6回目の決勝大会出場を果たすこととなった。

過去決勝大会出場校講演会
全国学校給食甲子園に参加して

第10回全国学校給食甲子園® 特別賞(女子栄養大学特別賞)
東京都・中央区立有馬小学校
学校栄養職員 井上 祐子さん
(出場時:足立区立第十一中学校)

「全国2,004校・施設の中から選ばれて、本日ここにお集まりの先生方、おめでとうございます。
決勝大会に進まれる先生方は、決勝大会の練習を、通常業務と並行して行うことになります。
大変だと思いますが、本番で実力が発揮できるように、応援しております。

私が勤務していた 足立区立第十一中学校のある足立区は、23区の中では比較的緑が多いところです。
短い時間でもしっかり給食が摂れるように、生徒たちが役割分担などをしっかり行っていました。
また、先生方も給食に対してとても協力的でした。

私は献立づくりと食育に取り組み、給食を食べる時間には、校内を回って、生徒たちに話をしてきました。
(写真を見せながら)このクラスは校内で食欲ナンバーワンのクラスです。
調理実習では、りんごの皮をとても薄くむくので、その生徒に尋ねると、なるべくたくさん食べたいからという答えが返ってきて…とても楽しいクラスです。
このクラスは、決勝大会に出る前日にも全員からエールをもらいました。
給食が大好きというだけではなく、食に対しても関心が深いクラスで、卒業する前日には私を呼び出し、『今まで、給食をありがとうございました』と一人ひとりから言葉をもらいました。

第10回全国学校給食甲子園®
特別賞(女子栄養大学特別賞)
井上 祐子さん

野菜を収めてくださっている生産者さんは、子どもたちととても仲が良いです。
小学校では学校の授業で使っている畑の世話をしてくれたり、中学では職場体験を提供してくださっています。
子どもたちはこの生産者さんを見ると『こまつなおじさん』と呼んで駆けよってくるほどです。

決勝大会出場の時には、688人の子どもたちのメッセージが入った寄せ書きをもらいました。
今回決勝大会に出場される先生方も、地元の方々がいろいろな応援の取り組みしてくださることと思います。

私は献立に『東京の恵み』というタイトルをつけました。
東京では地産地消がなかなか難しいのですが、たくさんの方のご協力を得てこの献立ができました。
足立区のきゅうり、トマト、ながねぎ、じゃがいも、にんじん、むらめ、八丈島のめだいを使い、私のできる精一杯の地産地消の献立を作りました。
地産地消というと、自分の地元だけを回れば用意できると思われるでしょうが、東京ではそういうわけにはいきません。

東京都全域を回る必要があり、私は、各地の生産者さんの思いを伺いながら調達してきました。
東京牛乳は56年前の東京オリンピックの選手村にも納品されたものです。
この生産者の1人である増田牧場さんは、足立区から車で1時間半ほどかかるところにあり、朝6時から伺ってきました。
牧場体験は私にとって初めてのことで、興奮の連続でした。
こまつなパンは、足立区の教育委員会とこまつな生産者さんとパン屋さんが、力を合わせ月日をかけて開発した、足立区の給食パンです。
このパンは、制作工程にとてもコストがかかってしまうのですが、地産地消のパンを作るということは、食育にとても必要なことなので続けられています。
八丈島のめだいを給食に使いたいと、地元の方にお願いしたのですが、700食も届けられませんと断られました。
しかし、東京の魚を使った献立を作りたくて、何とか切り身で納品をしてもらうことができました。
八丈島の魚はすり身になっていることがほとんどで、切り身の魚として足立区の給食に出るのすごいことなんだよと、子どもたちにもしっかり伝えました。
本当に感謝の気持ちいっぱいです。

(写真を見せながら)一緒に決勝大会を闘った調理員チーフの見米さんです。
決勝大会ではゼッケンをお土産にもらえるので、忘年会で調理員みんなで着用して写真を撮ったりしました。
調理員のみんなも一緒に闘ったのだという気持ちをこめてのことです。
本当にありがたい、思い出いっぱいの決勝大会参加となりました。

そして今勤務している 中央区立有馬小学校は、東京のど真ん中にあります。
中央区は学校の規模も大小あり、小さな学校では食材の入手も困難で、価格もとても高くなります。
そのため、共同給食として一度センターに集められた食材を各学校に配布します。

私が作りたかった学校給食は、地産地消で栄養があり、子供たちに慕われるものです。
全国学校給食甲子園の理念がそれと同じもので、この大会は本当にすごいものだなと思っております。
自分で楽しみながら子どもたちに伝えてきた食育ではありましたが、昨年大きな賞をいただくことができ、それはたくさんの方に支えてもらったからです。
本当に給食って、1人では作れないですよね。

今日お集まりの先生方、今日の表彰式を大切になさってください。
隣に座っている先生方とたくさん交流をして、それを続けてください。
もっともっと全国に学校給食の輪を広げることができる貴重な機会だと思います。
私も昨年知り合った先生方と親しくしています。

私の食育とは何ごとにも感謝することであり、それができることを大切に思って生きています。
感謝の心を常に持って食べることからすべては始まる、そんな食育を伝えていきたいと思います。」

閉会あいさつ 全国学校給食甲子園®実行副委員長
 馬場 錬成

「本日東日本の決勝大会出場6チームの選手が決定しました。
先週発表された西日本と合わせて、12チームの顔ぶれが出そろいました。
今年も12月3日は前夜祭を開催し、食育の活動、給食への取り組みなどを発表する場となっております。
翌日4日には、1時間で6食の給食を作るという、大変な熱闘が繰り広げられることになります。

昨年は10年という区切りを迎えました。
第10回大会までの記録を、記念誌として、ただ今編集しております。
48ページのムック本です。
今年の決勝大会には間に合わせるように発刊する予定です。
ホームページにもPDFで掲載いたしますので、自由に閲覧、印刷なさってください。
本日ここにお集まりの先生にも、記念誌に登場なさっている方がいらっしゃいます。
ぜひご期待ください。

閉会挨拶
全国学校給食甲子園®実行副委員長
馬場 錬成

1つ悲しいニュースがございます。
3週間ほど前に、講談社の『週刊現代』に、今時の学校給食はまずくて食べられないというような、4ページの記事が掲載されました。
これは必読のニュースです。
いかに今の学校給食に問題があり、子どもたちの楽しみにするべき給食が悲惨な目に遭っているかということが書かれています。
このような書き出しです。
『学校に通う子供たちの楽しみである「給食」が今、危機に瀕している。食育とは名ばかりのヘンテコなメニューに、日本らしさは見る影もない。問題だらけの給食事情に、日本和食界の大家が物申す。』
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49763

京都の菊乃井という老舗料理屋の3代目主人、村田吉弘さんが語ったように書かれたものです。
一部のおかしいと思われるメニューを並べ、あたかも日本中の給食がそれと同様に問題があるとうもので、悪意のある報道だと思います。
村田さんが語ったことを口述筆記のように扱った文章で、何も知らない編集者が裏付けもとらず書かれたものと推測されます。
これは大変に問題があると思います。
このまま黙っていると、一般の人たちが、今の日本の給食がこのようにひどいものだと思ってしまいます。
そして、それが全国的に蔓延してしまいます。
これは組織を上げて、現実と違うことをが書かれていると、抗議することが必要だと思います。」

表彰式参加校・施設のみなさんで記念撮影