2014年 第9回大会

12チームが地元の期待を担って決意表明

青森県 青森市小学校給食センター

栄養教諭 長沼裕美子さん、
調理員 石谷千鶴さん

「三内丸山遺跡のすぐそばに今年できたばかりの学校給食センターです。
青森の食育の拠点として、食育ルームなどの設備もあります。
センターでは、最大12000食を提供しています。
青森で初めてアレルギー対応食も作り、アレルギーの子ども達からも喜ばれています。

私は第4回決勝大会にも出場しました。あれから5年、いろいろなことがありました。
東日本大震災では停電で給食を提供できない悔しさを味わいました。
一昨年には、栄養教諭になりました。

青森は『全国一の短命県』からの脱却を図るために、いろいろな取り組みをしています。
健康で長生きする体は、子どものうちから作るということで『適塩、野菜たっぷり、よく噛む』を学校給食に取り入れています。
酢、乳製品を使用して、塩分を押さえます。よく噛むために、今回の献立は白ご飯にしました。
県では、出汁の活用『出汁活』も推進しています。

『全国一の短命県』の汚名返上、そして学校給食甲子園ナンバー1を目指してがんばります」

秋田県 藤里町学校給食センター

栄養教諭 津谷早苗さん、
調理員 桂田尚子さん

「藤里町は、世界自然遺産の白神山地の麓に広がる街です。白神山地のブナの原生林は緑のダムと呼ばれ、白神山水、白神舞茸、ヤマブドウジュースなどの特産品がたくさんあります。

きりたんぽは秋田県の郷土料理です。
給食で提供しているきりたんぽは、あきたこまちを使っています。鍋料理ではなく、地場産『白神の恵みみそ』を使いみそづけたんぽにしました。
それに、肉厚で香りも良い白神舞茸を使ったうどん汁を合わせました。

明日は秋田県の郷土料理と、藤里町の食材の良さを活かし、二人で協力しておいしい給食を作りたいと思います」

東京都 文京区立青柳小学校

学校栄養職員 松丸奨さん、
調理員 石川絢華さん

「今回のテーマは 【人と人との繋がりと想いを感じる献立】です。
生産者の想いを繋ぎ、『今、東京ができること』を目指しました。
海と川の食材を使用しています。浅草のりとヤマメは、はるか昔から東京の土地にありました。
しかし、時代の変化と共に失われていった食材です。
浅草のりは江戸時代から養殖され、東京都が初めて養殖に成功したのがヤマメです。
このように、東京の歴史、東京都の取り組みを、献立に組み込むことで、子ども達は、社会や総合的な授業に関連づけて学習しています。
江戸東京野菜は、学校の畑で栽培しています。

他県では当たり前の食材も、東京では希少なのです。そのためかかるコストも少なくありません。
そこは献立の工夫でカバーしています。

どうしてそこまで東京のものにこだわるのか。
それは、東京の子どもと食の距離の遠さを感じるからです。
お刺身は海で泳いでいると思っていた子どももいました。
しかし今では、低学年の子にブリ大根の作り方を教えるまでになっています。
子ども達は確実に成長しています。
簡単な食があふれるこの街ですが、地消地産の献立を食べ、生産者の思いを感じることで、それが生きる力になると思っています。

明日、『東京の給食』を楽しみにしていてください。
東京の歴史、東京の今を知り、郷土愛を育むことができる、そんな誇れる給食を披露したいと思っています」

神奈川県 横浜市立上寺尾小学校

栄養教諭 松本清江さん、
調理員 清水由美子さん

「私達の横浜は大都市というイメージがありますが、神奈川県は、海あり山ありで、農業水産業も盛んです。
三崎のまぐろ、三浦の大根・スイカ、小田原のかまぼこ・干物などがあります。

横浜市は農地と住宅地が混在している都市としても有名です。
現に、学校の隣にも畑があります。ジャガイモ、小松菜、大根など、季節のものを作っており、給食用に提供していただいています。また、授業にも活用させていただいています。

そのお陰もあり、給食の献立はほとんど地場産のもので作られています。
今回は、横浜産の米や、浜ポークという豚肉も用意することが出来ました。
明日の献立は地場産率65%で臨みたいと思います。

皆さんに支えられている学校給食です。そのためにも明日はがんばりたいと思います」