2011年 第6回大会

「調理過程、地場産物、出来上がりが審査ポイント」-講評

 審査副委員長を務める金田雅代・女子栄養大学短期大学部教授が審査の講評を行った。例年辛口だが、これは学校給食への愛情の強さの表れだ。

 金田審査副委員長は「今日は改めて学校給食の素晴らしさを実感させてもらった」と選手をねぎらった後、「手洗いでは文科省の標準的なやり方のマニュアルを再度確認してほしい。例えば爪ブラシ。爪を洗うものだが、これで手のひらを洗ったりしていないだろうか。また半袖なので肘まできちんと洗わなくてはならないのだが行われているだろうかということだ」と、改めて衛生意識の重要さを訴えた。

金田雅代審査副委員長が審査の講評

 次いで調理について述べた。参加を考えている人たちには貴重なアドバイスにもなるものだ。「審査のポイントは3点ある。調理過程と地場産物の活かし方、出来上がりだ。調理過程では衛生的な調理ができているかどうか。それから調理技術。三つ目がチームワークになる。衛生的な調理では帽子から髪の毛が出ている人がいた。使い捨て手袋では加熱するものには使う必要がないが、毎回使っていた人がいた。小さなまな板は調理時間がかえって掛かるように思われた。みかんがずっと調理台の上に置かれていたり、パンがずっと火のそばにあったりした。食材の置き方も考えてほしい」。

 さらに金田審査副委員長は「調理技術では、ドライ運用としてお盆の中にまな板を入れて調理をしているなどの努力をしているところは素晴らしいと思った。調理終了後に台の下を見て回った。食材の取り扱いの悪いところは下が濡れていた。チームワークでは2人の間の声掛けの声が少なかった。もっと大きな声で掛け合ってほしい。また『80度になりました』という声はしても記録がされていなかった。地場産物の活かし方では、それぞれの持ち味を活かしてとても美味しかった。見事な活かし方だと思った」と指摘した。

 優勝施設の和歌山市立名草小学校の献立については、「紀州汁で梅干しが入っていて、酸っぱくならないだろうかと思ったが、梅干しがとても上手に活かされていた。酢の物でのさばが届かないトラブルがあったが、今朝間に合った。さばがとても美味しく、上に千切りにした大根を乗せるという使い方が非常におもしろかった」と高い評価を与えた。

「地場産物活かした美味しい給食を実感」-閉会挨拶

 21世紀構想研究会の馬場錬成理事長は閉会の挨拶で、「優勝、準優勝、特別賞2施設の4施設は共に地場産物を十分に活かし、大変美味しい給食を提供していることがよく分かった。惜しくもこれには届かなかったけれども入賞を果たした8施設も本当に紙一重だった。胸を張って地元に帰り、報告してほしい」とねぎらった。

閉会の挨拶で選手をねぎらう馬場理事長

熱闘を終えた12施設の選手24人と審査委員