2010年 第5回大会

鳥取県三朝(みささ)町調理センター

 中国・四国ブロック代表の1チームは、鳥取県三朝(みささ)町調理センターの栄養教諭、山下恵さんと調理員、山根里美さん。まず地図で町の場所を示しながら、海と山に囲まれていて、海の幸と山の幸をたくさん食べることができる自然豊かな環境をアピール。三朝温泉のはっぴ姿の2人は、農業、酪農のほかに観光が町を支えていることを紹介した。

 給食には生産者の学校給食グループから新鮮な無農薬野菜がたっぷり届けられている。中学校では食育コーナーを設け、生産者のブロマイドを貼って顔の見える給食を目指している。残食も減ってきて、全部でゼロという日もあった。

 「地元では壮行会も開いてもらい、勝たないと帰れないようになっているが、初出場らしくたくさん学ばせていただいて、明日からの給食作りに役立てていこうと思っている」と、謙遜した。

生産者の顔の見える給食を目指す

香川県高松市立国分寺南部小学校

 同ブロックのもう1校の代表は香川県高松市立国分寺南部小学校の栄養教諭、宮武千津子さんと調理員、間嶋(ましま)みどりさんのチーム。給食甲子園で香川県は常連で、特に「国分寺」エリアの3校は5回中4回決勝に進出、準優勝もしている。

 地元産品を多く取り入れ、積極的な給食活動を展開してきた国分寺町だが平成の大合併で高松市になって、地場産物を使えなくなる時期もあった。しかし先生方の努力でようやく活路を見い出し、「ふるさと給食」として結実した。生産者も「子どもたちが食べてくれるなら以前のように何でも集めるよ」と、すごいパワーで食材を集めてくれている。

 生産者は食材の調達ばかりでなく、授業でも携わってくれている。当校では食育授業としていきいき学習をやっており、これにふるさと給食も連携している。1年生と6年生のペア学習でサツマイモの栽培をしたが、収穫したものをスイートポテトにして食べた。

 香川県には讃岐うどんしか美味しいものがないと言われているが、香川ブランドはまち3兄弟もある。明日の献立にはその3男坊のオリーブはまちを使っている。 

「オリーブはまち」で決勝に臨む

佐賀県嬉野市塩田学校給食センター

 九州・沖縄ブロックの代表は、佐賀県嬉野市塩田学校給食センターの学校栄養職員、阿部香理(かおり)さんと調理員、光武(みつたけ)きよみさんチーム。「安全で美味しい給食にこだわり、平成15年に新築移転してから、地元産の米ヒノヒカリを玄米でJAから購入し、精米、炊飯している」と給食に掛ける意気込みをPR。

 「うれしの産うまかもん給食」に日には、できるだけ地元で取れた食材を使い、子どもたちに食べ物や生産者の方の紹介し、時には生産者の方と一緒に給食を食べている。

 明日のお茶ごはんは、嬉野産のお茶の緑といり卵の黄色、佐賀県産ののりを使って彩りも自慢。「うったち」は地元の方言で「旅立ち」の意味。この「うったち汁」はくじらの出汁で作る料理だ。「明日は、がばいうまか給食を2人で一生懸命作ります」と、方言を活かして決意を表明した。

がばいうまか給食をつくる

長崎県対馬市峰学校給食共同調理場

 最後の12チーム目は、同ブロック代表の長崎県対馬市峰学校給食共同調理場の栄養教諭、佐田マキさんと調理員、松村哲子さん。昨年に続いての決勝出場だ。

 今年5月に東部漁協に加工場ができ、地元の魚を給食に使えるようになった。野菜も農家の方と情報交換し、一番美味しい時期に取り入れることができている。今年はさらに子どもたちから、我が家のお薦めレシピを募集することにし、地場産物もメニューの幅も広がった。

 明日の献立には、漁協から剣先いか、農作物はジャンボいんげん、赤かぶ、白かぶ、アスパラガス、ブロッコリー、大根、にんじん、たまねぎ、それにさつまいもに手間を掛けて作った「せん」を使っている。

 生産者の皆さんは食材を届けてくれるだけではなく、直接対馬の素晴らしさを子どもたちに伝えてくれている。「地場産物をどんどん取り入れることは新たな挑戦の連続だ。子どもたちの目に美味しく、味もよく、心に響く給食をと毎日調理員の仲間と頑張っている。食べ物に感謝しながら明日は作りたい。2度目の出場なので、何とか優勝旗を対馬に持って帰りたい」と、固い決意を込めた。

2度目の出場で優勝旗を対馬に